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「癒し」と「健康」は、思っているものと少し違うかもしれません

  • 執筆者の写真: Eri Ito
    Eri Ito
  • 12月14日
  • 読了時間: 6分

更新日:7 日前


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多くの方が、中薬(中医学の薬草療法)や鍼灸、指圧といった自然療法に、

「この症状を和らげたい」

「不調を取り除きたい」

「元の健康な状態に戻りたい」

そんなシンプルな期待を抱いて来られます。


もちろん、これらの療法は身体を支え、違和感をやわらげる助けになることがあります。

ただ、「良くなること」や「健康であること」のイメージが、必ずしも癒しの本質と一致するとは限りません。


私たちは、常に動き続ける社会の中で生きています。


疲れたらカフェインで乗り切り、

風邪をひいても解熱鎮痛剤を飲んで仕事へ行き、

痛みがあっても鎮痛剤で抑え、

何事もなかったように日常を続ける。


西洋医学では、しこりや腫れ、感染など、はっきりとした問題が現れたとき、迅速で直接的な対応が取られることが多くあります。

取り除く、

抑える、

原因を排除し、できるだけ早く、これまで通りの生活に戻る。


こうしたアプローチは、状況によっては欠かせないものであり、命を支えるものでもあります。

同時にそれは、私たちが自分の身体とどう向き合うかにも影響を与えています。

「早く解決すること」

「不快を消すこと」

「元の状態に戻ること」


その考え方が、自然療法にもそのまま持ち込まれるのは、とても自然な流れです。


施術を受けて、良くなって、すぐに元の生活へ戻る。

多くの方が、そうした変化を期待されます。


けれど、Chemin Holistique で私が提供している自然療法は、少し違う視点に立っています。


中薬、鍼灸、指圧は、単に症状を抑えるためのものではありません。

身体が本来持っているリズムやバランスへ、静かに戻っていくことを支えるためのものです。


その過程で、身体が「休みたい」と伝えてくることもあります。

少しペースを落とす必要が出てくることもあります。

そして時には、これまで感じないようにしてきたものに気づかされることもあります。


そのため、


  • 以前より疲れやすく感じたり

  • 強い眠気を感じたり

  • 頭や身体がぼんやりするように感じたり

  • 感情が揺れやすくなったり


といった変化が現れることがあります。


すると、

「あまり良くなっていない気がする」

「前より元気じゃない気がする」と、

不安になる方もいらっしゃるかもしれません。




🌿 疲れが癒しのプロセスの一部になるとき


鍼灸や指圧の施術後に、強い疲労感を感じる方は、実は少なくありません。

特に、初めて受けるときや、しばらく間が空いてから再開した場合に、そう感じやすい傾向があります。


施術後すぐに眠くなったり、

1〜2日ほどぼんやりした感じが続いたり、

その日は何もする気が起きないと感じることもあります。


少し形は違いますが、中薬などの薬草療法を始めた最初の数日間にも、同じような反応が現れることがあります。


それは、ただ「緊張がゆるんだから」というだけではなく、

身体の内側で、より広いレベルの調整や適応が静かに進んでいるためです。


その過程で、

いつもより眠くなったり、

疲れを感じやすくなったり、

これまでとは違う身体の感覚に気づくこともあります。


こうした変化は、何かがおかしいというサインではありません。

多くの場合、身体が自分のペースで調整し、バランスを取り戻していくための、自然なプロセスの一部です。


これは、忙しい都会から静かな田舎へ引っ越したときの感覚ともよく似ています。


最初の数週間、理由もなく強い疲れを感じることがあります。

それは、緊張からリラックスへ移行する自然なプロセス。


身体がようやく、長いあいだ抱えてきたものを手放せる余白を得た状態なのです。


私自身も、ロンドンの忙しい都市生活から、フランスの静かな田舎町バウルへ移り住んだとき、同じ体験をしました。


最初の数週間は、とにかく眠く、動きがゆっくりになり

時には退屈さえ感じるほどでした。


まるで、刺激の中で生き続けてきた身体が、

どうやって力を抜けばいいのか分からなくなっていたようでした。


それは、何かがおかしいサインではありません。

長い緊張が終わり、身体が静かに手放し始めた、ただそれだけのことでした。


特に、長い間「頑張り続ける」「止まらずに動く」状態で生きてきた方ほど、

その反動として、深い休息や脱力感を強く感じることがあります。


これは問題ではありません。

バランスが動いている状態です。


身体は、反対の力を通して調和を取り戻します。


  • 疲れすぎていたとき → 深い休息へ

  • 張りつめすぎていたとき → やわらかさへ

  • 常に「オン」だったとき → 「オフ」へ


人は、ずっと走り続けることはできません。


陰と陽が示すように、一方が極まれば、自然ともう一方が生まれ、バランスは回復していきます。


これは、癒しのプロセスの一部です。


心と身体が休み、整い、

変化をゆっくり統合することで、力はまた自然に戻ってきます。



✨  身体がようやく語り始めるとき


「頑張らなければならない」という圧力が少しゆるむと、

これまで抑え込まれてきたものが、静かに表に現れ始めます。


無視されてきた疲れ。

押し込めてきた感情。

忙しさにかき消されていた、身体からのサイン。


癒しは、必ずしも

「より強くなること」

「より速く、より生産的になること」

ではありません。


ときには、

よりやわらかく、

よりゆっくりと、

より正直に、

自分自身と向き合うことでもあります。


それは、無理に身体を動かすことではなく、本来のリズムへと戻っていくことです。



🌱 健康とは、何になっていくのか

健康とは、単に症状がない状態ではありません。

身体・感情・日常生活の中に、静かに息づく「生きたバランス」です。

そのバランスを取り戻すために、

生活習慣が変わることもあります。 考え方が変わることもあります。 食との関係や、身体の使い方、 自分を支える新しい習慣が生まれることもあります。

自然療法による癒しは、一直線ではありません。 ときに予想外のプロセスを通りながら、身体が自分自身のペースで整っていくことを求めます。

私の願いは、クライアントの方が、 より自然で、バランスのとれた状態へ戻っていく中で、本来のご自身と静かにつながり直していくことを、そっと支えることです。

それは、東洋思想でいう「道(Dao)」と調和して生きる状態でもあります。

無理に変えようとするのではなく。 即効性を追い求めるのでもなく 身体の内側にある智慧に耳を傾け、 寄り添いながら、導かれていくこと。



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伊藤絵梨  |  CHEMIN HOLISTIQUE

身体・心・感情の健やかさを、ひとつの流れとして支える統合的ケア

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